日本生物学オリンピック カテゴリの記事
2017年7月21日(金)に科学技術館にて第28回国際生物学オリンピック(IBO2017イギリス)日本代表団 結団式がおこなわれ、その後、代表団はイギリスに向けて出発しました。

八杉貞雄・JBO運営委員長

松田良一・チームリーダー

お茶の水女子大・近藤るみ先生

米田梓・文科省 人材政策課 課長補佐

吉田忍・JSF専務理事

OBOGによる激励

JBO非公式応援団長

バスで成田空港 へ出発
第28回国際生物学オリンピック 日本代表(五十音順)
氏 名 |
フリガナ |
性別 |
在学校(所在地) |
学年 |
池田 亘孝 |
イケダ ノブタカ |
男 |
筑波大学附属駒場高等学校(東京都) |
高3 |
江口 彩花 |
エグチ アヤカ |
女 |
桜蔭高等学校(東京都) |
高2 |
佐藤 源気 |
サトウ ゲンキ |
男 |
滋賀県立膳所高等学校(滋賀県) |
高3 |
津島 彰悟 |
ツシマ ショウゴ |
男 |
武蔵高等学校(東京都) |
高2 |
JBO引率者
氏 名 |
所 属 |
参加形態 |
齋藤 淳一 | 東京学芸大学附属国際中等教育学校 教諭 |
ジュリー |
松田 良一 | 東京大学大学院総合文化研究科 教授 |
ジュリー |
浅見 崇比呂 | 信州大学学術研究員 理学系 教授 |
ジュリー |
太田 一寿 |
長崎国際大学薬学部 准教授 |
ジュリー |
工藤 光子 |
立教大学理学部 生命理学科 特任准教授 |
ジュリー |
笹川 昇 |
東海大学工学部生命化学科 教授 |
ジュリー |
杉山 宗隆 |
東京大学大学院理学系研究科・理学部 准教授 |
ジュリー |
鈴木 石根 |
筑波大学植物代謝生理学 教授 |
ジュリー |
野口 立彦 |
防衛医科大学校生物学教室 助教 |
ジュリー |
長谷川 雅美 |
東邦大学理学部 教授 |
ジュリー |
和田 洋 |
筑波大学生命環境系 教授 |
ジュリー |
岩間 亮 | 東京工業大学科学技術創生研究院 博士研究員 |
ジュリー |
荒木 大河 | Wesleyan University |
ジュリー |
日本代表団 日本代表の日程
7月21日(金) 集合・結団式【科学技術館】 成田泊
7月22日(土) 成田空港発・イギリスへ バーミンガム着 バーミンガム泊
7月23日(日) コヴェントリー着 大会登録、開会式
7月24日(月) 実験試験会場視察、エクスカーション
7月25日(火) 実験試験
7月26日(水) エクスカーション
7月27日(木) 理論試験
7月28日(金) エクスカーション
7月29日(土) 閉会式
7月30日(日) コヴェントリー発・成田へ
7月31日(月) 成田着 午後文部科学大臣へ表敬訪問(予定)
3,849名(女性:2,099名、男性:1,750名)が日本生物学オリンピック2017 予選に挑戦しました。
日本生物学オリンピック2017の詳しい情報を掲載しています。
国際生物学オリンピック2017 イギリス大会日本チームを対象にして 以下のようにお茶の水女子大学にて第二回特別教育を実施しました。
日程:2017年5月3日(水)~5月5日(金)
場所:お茶の水女子大学・理学部
指導責任者 齋藤淳一 東京学芸大学附属国際中等教育学校 教諭
会場責任者 近藤るみ お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科 准教授
5月3日(1日目)
8:30~12:30 「細胞生物学」理1-521
宮本泰則、TA 大西真紀子 :動物細胞の観察、細胞接着分子フィブロネクチンによる細胞伸展の観察、細胞骨格
「発生生物学」理1-521
線虫の植え継ぎ作業
13:30~18:00 「動物生理学」共3-307
最上善広 TA :カエル神経筋標本の作成、活動電位の測定
5月4日(2日目)
9:00~12:30 「実験発生学」理1-521
服田昌之 :ウニの受精、発生の観察、割球分割実験
13:30~18:00 「酵素活性の測定」理1-521
加藤美砂子、TA 小山香梨、行田綾乃 :酵素活性の測定、ピペットマンのハンドリングの練習
16:30~18:00 「モデル生物の観察」理1-521
近藤るみ :ショウジョウバエの胚の観察
5月5日(3日目)
9:00~12:30 「植物系統分類学」理1-521
嶌田智:C3, C4植物のプレパラートの作成、観察
13:00~14:30 「実験発生学」理1-521
服田昌之:ウニの発生の観察、考察
14:30〜16:00 「モデル生物の観察」理1-521
佐藤敦子: 線虫の観察
2017年4月30日に、佐賀県で唯一理数科を持つ佐賀県立致遠館高等学校にて、生物学オリンピック合同学習会を実施しました。午前の部は生徒に対しての学習会で、致遠館高校が行っているSSHの一環として他校にも案内をして行われました。参加生徒は6名で、全員が致遠館の生徒でした。
内容として初めにIBOの紹介をしました。特に参加する意義として、多くの知識を持つ事が必要である事や、実験技術の基礎を身につける必要、更に様々な知識を総動員して考察する楽しさを予め体験しておく等は、将来の研究者を目指す際の必要不可欠な要素であり、オリンピックはあくまでも通過点である事を説明しました。そして、国内大会で顔を合わせる全国の生徒との交流は、生物好きの集まりであること、国際大会では世界の生徒との交流があること等を話しました。次に過去問に触れ、見方を変えることで解答に近づくことを説明しました。生態学的な考察問題として、カラスムギの種子を見せました。初めに乾燥標本をそのままの状態で見せましたが、当然面白さに気づく生徒はいませんでしたが、次に水を含ませて生徒に見せると、いきなり動き出しますからその面白さに釘付けになりました。また佐賀県内でも見られるナガミヒナゲシの繁殖戦略について、昨年採集した乾燥標本を見せて、種子の散布形態の考察を行いました。最後に実技指導として、ツバキの葉の切片作成について体験をしてもらいました。通常行われる葉の横断面の切片作成に加え、葉の裏面にある気孔観察の為の、表面を削る様に行う切片作成方法も指導しました。生徒は、実に熱心に参加し、生徒の意識の高さを伺うことができました。
午後は教員対象の学習会を実施しました。致遠館高校の教員三名ともう一人の教員が参加して、和気藹々とした雰囲気の中で実施できました。
ここでは、生物学オリンピックに向けた取り組みを私自身が行った経緯も紹介しました。教員として勤務した学校と、その中で実施した生物教育についてお話しし、現役最後に勤務した学校でのSPPの取り組み・オリンピックとの出会い・本選試験問題の作成・校内での特別教育の内容をお話しし、二人の日本代表生徒の指導についてもお話ししました。
国際生物学オリンピックに関しては、日本が参加してからの内容と、世界の生物教育のレベルが日本を上回っている事実についても説明しました。その中で我々教師がどの様にして実力を身に付けるかという事も説明しました。
よく知られている春の七草から、幾つかの設問を用意しました。先ずは七草の中に、日本に古くからあったのではなく、外国からもたらされた植物三種類についてお話ししました。スズナ・スズシロは容易に想像できますが、ナズナについては分かっていませんでした。生物の教科書でナズナが取り上げられるのは、胚の発生・同義遺伝が思いつきます。同義遺伝で説明される槍型の果実を日本で見た事のある人は、いても稀ですが教科書に記載されている事から当然あるはずです。日本で見られないのは、元々日本の植物ではないからです。教えている教師が、当然気付いて当たり前の事実を、気付くか気付かないかで、生態的な見方が出来るか出来ないかが分かれる事を理解して貰いました。
生徒対象・教員対象共に熱心に受講して頂き、充実した時間を過ごせた事に感謝します。
(文責 石井規雄)
国際生物学オリンピック2017 イギリス大会日本チーム(2017年3月20日の代表選抜試験により決定)を対象にして 以下のように中央大学にて第一回特別教育を実施しました。
日程:2017年3月28日(火)~3月30日(木)
場所:中央大学生命理工学部
指導責任者 齋藤淳一 東京学芸大学附属国際中等教育学校 教諭
会場責任者 上村慎二 中央大学生命理工学部生命科学科教授
3月28日(火) 9:00~18:00
実習タイトル : 「タンパク質の濃度測定、酵素反応、電気泳動とウエスタンブロット」
講師: 村上浩士 中央大学生命理工学部生命科学科教授
TA : 高橋 惇、小菅清二、築坂由貴、中野杏依子
3月29日(水) 9:00~18:00
実習タイトル :「蛍光タンパク質を発現する大腸菌の破砕液の調製と蛍光スペクトル測定」
講師: 箕浦高子 中央大学生命理工学部生命科学科准教授
TA : 山北晃平、荻原由太郎、 水岡優貴、中山優希
3月30日(木) 9:00~18:00
実習タイトル :「ウニ体腔液中の未知タンパク質・色素物質の精製と分析」
講師: 上村慎二 中央大学生命理工学部教授
TA : 高橋惇
イギリス/コヴェントリーで開催される国際大会で、世界の仲間と生物学を深める
国際生物学オリンピック日本委員会(委員長:浅島 誠)は、第28回国際生物学オリンピック(2017年7月23日から30日までの8日間、イギリス/コヴェントリーで開催)に派遣する日本代表4名および次点者2名を決定しました。
日本代表および次点者は、全国3,469名の受験者から三次にわたる試験を経て選ばれました。今後、大学教員や専門家も交えた国際生物学オリンピック日本委員会・プロジェクトチームによる、数回の合宿を含む特別教育を受け、7月の国際大会に臨みます。国際大会においては、世界の各国・地域から参加する代表たちと生物学を競い、そして生物学好き同士の友情をはぐくみます。
第28回国際生物学オリンピック 日本代表(五十音順)
氏名 | 性別 | 学校名 | 学年 | |
---|---|---|---|---|
池田 亘孝 | イケダ ノブタカ | 男 | 筑波大学附属駒場高等学校(東京都) | 高3 |
江口 彩花 | エグチ アヤカ | 女 | 桜蔭高等学校(東京都) | 高2 |
佐藤 源気 | サトウ ゲンキ | 男 | 滋賀県立膳所高等学校(滋賀県) | 高3 |
津島 彰悟 | ツシマ ショウゴ | 男 | 武蔵高等学校(東京都) | 高2 |
同 次点者(五十音順)
日本代表に参加できない事由が発生した際、かわって国際大会の日本代表となります。なお、次点者も日本代表と同じ特別教育などに参加します。
氏名 | 性別 | 学校名 | 学年 | |
---|---|---|---|---|
栗生 美怜 | クリオ ミサト | 女 | 京都府立嵯峨野高等学校(京都府) | 高3 |
近藤 唯貴 | コンドウ ユイキ | 男 | 山梨県立甲府南高等学校(山梨県) | 高3 |
国際生物学オリンピックは、世界の中等教育学校の生徒を対象にした生物学の国際的なコンテストです。生物学への関心を高め、参加者の才能を開花させるとともに、各国の生物学教育について情報を交換したり、生物学を学ぶ若者の国際交流を促進するために毎年開催されています。1990年の第1回大会(旧チェコ・スロバキア/オルモウツで開催)から数えて第28回となる2017年の国際大会はイギリス/コヴェントリーで開催されます。
日本代表の抱負
池田 亘孝 筑波大学附属駒場高等学校(東京都)
日本生物学オリンピックを通して、生物学を「学ぶ」姿勢が大きく変わりました。国際大会でも他の選手との交流を楽しむと共に、このような機会を頂いたことに感謝し、日本代表として結果を残せるように頑張ります。
江口 彩花 桜蔭高等学校(東京都)
去年は悔しい思いをしたので選んで頂いて本当にうれしく思います。事前教育も含め、国際大会まで精いっぱい努力して、また全力で楽しみたいと思います。
佐藤 源気 滋賀県立膳所高等学校(滋賀県)
国際生物オリンピックに参加できるというまたとない機会を頂き、大変嬉しく思っています。自身の生物学への興味やモチベーション、実力をさらに大きく高めることのできるこの度の機会を存分に味わい、そして大会で良い結果が残せるよう、精一杯頑張りたいと思います。
津島 彰悟 武蔵高等学校(東京都)
国際生物学オリンピックの代表に選ばれたことを光栄に思います。貴重な機会なので、良い成績はもちろんですが、大会自体を楽しむこともできればいいと思います。
(発表:2017年4月5日)
2017年7月にイギリスで開催される国際生物学オリンピック世界大会の日本代表を選抜する試験を2017年3月20日(月・祝)に実施しました。
ニュース, 国際生物学オリンピック, 日本生物学オリンピック
国際生物学オリンピック(IBO)は生物学に関心を持つ高校生等を対象とした国際的なコンテストです。若者たちに生物学の問題や実験に挑戦する場をあたえ、生物学への興味を喚起し、科学者への道に導くものです。さらに、生物学を学ぶ生徒どうしの国際的交流の機会をあたえ、生物学教育に関する問題の国際的な調査や意見交換も推進します。
国際生物学オリンピックの2020年国際大会を日本で開催するよう 昨2015年7月にデンマークのオーフスで開催された国際ジュリー会議において正式に承認されました。これを受けて 開催地などの検討を文部科学省はじめ関係する諸方面とともにすすめて来たところです。このたび、下記の要領で開催するよう準備することを決定しました。
日本において国際生物学オリンピック国際大会を開催するのは、2009年の筑波大会につぎ2回目となります。国際大会を複数回開催することは 規模の小さかった初期(第1,3回、チェコおよびスロバキア)を除けば、日本が初めてです。
国際大会の規模が前にもまして拡大していることなどを勘案して 開催地を長崎県としました。2020年には東京周辺において国際オリンピック・パラリンピックが開催され スポーツ競技を通して国際的な親善をはかることとされています。同じ時期に、科学する能力を国際的に競う場を日本が提供することは、科学・技術の健全な発達に日本が寄与し、人類文明の持続的発展への貢献をなすことで 日本の高い国際的な地位を築くことにつながります。長崎に全世界から生物学を志し将来指導的な立場にたつ若者と、それを育む教育関係者が多数集います。原子爆弾という20世紀の科学・技術のもたらした負の遺産に 国際生物学オリンピック参加者が長崎において近しく触れます。これは 科学と社会について深く思索を巡らすのに得難い契機を彼らに与えるものと期待されます。
国際生物学オリンピック2020国際大会開催の意義を理解いただき、その成功のために支援いただけますよう、心からお願い申し上げます。
記
- 会 期:2020年7月3日(金)~7月11日(土)(予定)
- 会 場:長崎国際大学(試験)およびハウステンポス(式典・会議および宿泊)
- 参加数(予測):70ヵ国・地域以上、代表生徒 約300名(各国4名まで)、各国ジュリー(審査・引率)約350名、運営スタッフ約150名(予定)
- 体 制:国際生物学オリンピック2020組織委員会、科学委員会、募金委員会、実行委員会
- 共催・後援など(予定):文部科学省、日本科学技術振興財団、長崎県、佐世保市、長崎国際大学
2016年3月20日(春分の日)午前9時より、東京工業大学西6号館2階の621号教室にて、「科学教育コンテストを活用した次世 代人材育成」と題したシンポジウムが行われた。
はじめに東京工科大学の毛塚博史氏による「物理チャレンジ教育活動と国際物理オリンピックへの日本参加」と題する講演があり、国際物理 学オリンピックに参加した経緯が紹介され、代表生徒を選考する側からの内容紹介として、物理チャレンジについての説明等があった。続い て、京都大学博士課程の植松祐輝氏による「物理チャレンジと物理教育 : 出場経験者としての視点から」と題する講演があり、物理チャレンジから、物理学オリンピックの専攻過程とその後の物理教育について紹介があった。
3人目にJBO教育支援部会の石井規雄が「国際生物学オリンピックに向けた学生指導の経緯から〜いかにして代表生徒を指導したか〜」と 題して、代表生徒を出す目標ではなく、研究者養成の通過点としての生徒指導の重要性を講演した。
4人目に福井県教育庁義務教育課の三崎光昭氏による「中学生のための理数探求イベント(ふくい理数グランプリ)」での中学生の生き生き とした取り組みについての講演があった。
最後にJSTの河崎泰介氏による「次世代人材育成における科学技術コンテストの役割」と題する講演があり、JSTが取り組んでいる「科学 の甲子園」などの紹介がされた。以上の5件が招待講演である。その他に会員発表として福井大学の葛生伸氏による「アドバイザーの立場から 見た高校生のための理数探求イベント(ふくい理数グランプリ)」と題して、高校生の取り組みについて紹介があった。
物理にとっては他の分野である生物学オリンピックが、どのような取り組みを行っているのかを知って頂く良い機会であった。 (文 責: JBO教育支援部会主査 石井規雄)

講演者の方々:写真の左から、毛塚博史氏、植松祐輝氏、石井規雄、三崎光昭氏、河崎泰介氏
新しい投稿ページへ古い投稿ページへ