国際生物学オリンピック日本委員会 委員長より
21世紀に入り、生物学は今なお目覚ましく進歩を続けています。一方、国内外をとりまく社会の状況は激変しており、生物学に関係する多くの問題が顕在化しています。たとえば生物多様性の喪失、生態系の攪乱、生命倫理の問題、さらには感染症の拡大など、枚挙にいとまがありません。しかし、このような問題を一つずつ解決していくためには、基本的な知識を得ること、それを足がかりにして課題を解決する能力を身につけること、そしてなにより、そういったことを常日頃から考える習慣を身につけることが大切です。
生物学オリンピックは、そうした努力の成果を試す絶好の機会です。また、「生物」という共通の興味を持つ国内外の多くの仲間と知り合い、交流する場でもあります。次世代のみなさんが「楽しみながら」これからの社会を生き抜く力をつけていく、そんなことを手助けできるよう、活動に取り組んでいきたいと考えています。
令和4年4月
国際生物学オリンピック日本委員会
委員長 道上 達男