国際生物学オリンピック カテゴリの記事
ニュース, 国際生物学オリンピック, 日本生物学オリンピック
国際生物学オリンピック(IBO)は生物学に関心を持つ高校生等を対象とした国際的なコンテストです。若者たちに生物学の問題や実験に挑戦する場をあたえ、生物学への興味を喚起し、科学者への道に導くものです。さらに、生物学を学ぶ生徒どうしの国際的交流の機会をあたえ、生物学教育に関する問題の国際的な調査や意見交換も推進します。
国際生物学オリンピックの2020年国際大会を日本で開催するよう 昨2015年7月にデンマークのオーフスで開催された国際ジュリー会議において正式に承認されました。これを受けて 開催地などの検討を文部科学省はじめ関係する諸方面とともにすすめて来たところです。このたび、下記の要領で開催するよう準備することを決定しました。
日本において国際生物学オリンピック国際大会を開催するのは、2009年の筑波大会につぎ2回目となります。国際大会を複数回開催することは 規模の小さかった初期(第1,3回、チェコおよびスロバキア)を除けば、日本が初めてです。
国際大会の規模が前にもまして拡大していることなどを勘案して 開催地を長崎県としました。2020年には東京周辺において国際オリンピック・パラリンピックが開催され スポーツ競技を通して国際的な親善をはかることとされています。同じ時期に、科学する能力を国際的に競う場を日本が提供することは、科学・技術の健全な発達に日本が寄与し、人類文明の持続的発展への貢献をなすことで 日本の高い国際的な地位を築くことにつながります。長崎に全世界から生物学を志し将来指導的な立場にたつ若者と、それを育む教育関係者が多数集います。原子爆弾という20世紀の科学・技術のもたらした負の遺産に 国際生物学オリンピック参加者が長崎において近しく触れます。これは 科学と社会について深く思索を巡らすのに得難い契機を彼らに与えるものと期待されます。
国際生物学オリンピック2020国際大会開催の意義を理解いただき、その成功のために支援いただけますよう、心からお願い申し上げます。
記
- 会 期:2020年7月3日(金)~7月11日(土)(予定)
- 会 場:長崎国際大学(試験)およびハウステンポス(式典・会議および宿泊)
- 参加数(予測):70ヵ国・地域以上、代表生徒 約300名(各国4名まで)、各国ジュリー(審査・引率)約350名、運営スタッフ約150名(予定)
- 体 制:国際生物学オリンピック2020組織委員会、科学委員会、募金委員会、実行委員会
- 共催・後援など(予定):文部科学省、日本科学技術振興財団、長崎県、佐世保市、長崎国際大学
ニュース, 国際生物学オリンピック, 日本生物学オリンピック
生物学オリンピック問題集 [実験編] が出版されました。
国際生物学オリンピック日本委員会、筑波大学問題集[実験編]編集委員会
野村港二(筑波大学教授)、岩本浩二(筑波大学准教授)編
B5判,248頁 2015/09/18発行 ¥ 2,592 ISBN 978-4-86399-316-7
◆ 2009年に筑波大学で開催された「国際生物学オリンピック日本大会」(IBO 2009)および過去の大会で出題された実験課題の問題解説集です。
◆ 各問題の出題意図や問題の背景(生物学的意義,理論的背景),観察のポイント,材料の選択や実験のコツがわかりやすく解説されています。
◆ IBOを目指す中高生には格好の手引書,中高の理科(生物)教員には実験授業・指導のヒントとなる1冊。保護者の方々にもおすすめです!
◆ 実験動画の一部が下記サイトでウェブ配信されています。
https://www.igakuhyoronsha.co.jp/5000/?ISBN=978-4-86399-316-7
生物学の実験操作の基本
- 顕微鏡の操作:2015本選・ 予備体験のテキストに詳しく説明しています。
- ピペット操作と電気泳動:2014 年のつくば大会での予備体験を参照してください。
- 国際生物学オリンピックで想定している実験操作のリストは IBOガイドブックの添付II 「実験問題のための基礎技能」に掲載されています。
ダウンロード(40.4MB)
2015年7月にデンマークで開催される国際生物学オリンピック世界大会の日本代表を選抜する試験を2015年3月21日(土・祝)に実施しました。
代表選抜試験に出題された問題および解答例・解説を公開します。
デンマークでの国際大会において 各国の代表生徒により作成されるビデオのコンペティションが企画されています。テーマは “IBO and me” です。
国際大会の開催される前に 各国のコーディネーターが応募作品のなかから5つが選ばれます。国際大会の会期中に、参加代表生徒が投票して受賞ビデオがきまります。
日本代表のつくったビデオは2012、2014年に受賞しています。
スペイン(カナリー諸島) ベトナム ベラルーシ
ポーランド デンマーク イタリア
モンテネグロ チェコ ロシア
国際生物学オリンピック2015 デンマーク大会日本代表候補15名を対象にして 2014 冬期特別セミナーを開催しました。
日程:2014年12月24日(水)~12月26日(金)
場所:東京大学 駒場キャンパス
指導責任者:斎藤淳一(JBO委員 東京学芸大学附属国際中等教育学校 教諭)
目的
-
-
- 最先端の講義や実験を通して書籍では得ることができない生物学の醍醐味を知る。
- 生態学や統計学など学校の授業で学ぶ機会の少ない分野の理解を深める。
- 実験結果より統計処理を含めたデータ処理を行う。
- 合宿形式のセミナーを通して互いに交友を深め、切磋琢磨する機会を得る。
-
担当者
講師
-
-
- 浅島 誠 東京大学特任教授(JBO委員長)
- 嶋田正和 東京大学教授
- 松田良一 東京大学教授 (JBO運営委員)
- 八畑謙介 筑波大学講師
- 笹川 昇 東海大学准教授(JBO運営委員)
- 和田英治 東京大学総合文化研究科
-
TA
-
-
- 澁谷 朋子 東海大学生命化学科 3年
- 矢野 遥香 東海大学生命化学科 3年
- 岩間 亮 東京大学農学生命科学研究科
-
主なプログラム
1). 統計学実習・講義・演習
2). 微生物学実験・データ処理
3). 筑波本選の振り返り
4). 細胞培養の見学(ニワトリ胚の解剖)
スケジュール
●12月24日(水)【第1日目】
9:10~ 9:50 オリエンテーション 3号館113教室
10:00~12:30 生物統計学 1.2 嶋田正和先生 情報教育棟中演(E42)
テキスト『統計の基礎−考え方と使い方』
12:30~13:30 昼食
13:30~16:00 生物統計学 3.4 嶋田正和先生 情報教育棟中演(E42)
18:00~ 夕食 ミーテイング・懇談会・自由時間
22:00 入浴:就寝
生物統計学の実習
●12月25日(木)【第2日目】
7:00 起床後朝食
8:10 宿舎出発
9:00~12:00 微生物講義実験I: 笹川 昇先生 21KOMCEE(3F)新生命科学実験室
12:00~13:00 昼食
13:00~16:00 微生物学講義実験II: 笹川昇先生 21KOMCEE(3F)新生命科学実験室
16:00~18:00 つくば大会本選振り返り 八畑謙介先生 3号館113教室
18:30~ 夕食 ミーテイング・懇談会・自由時間
22:00 入浴・就寝
微生物学実験 つくば大会本選について
●12月26日(金)【第3日目】
7:00 起床後朝食
8:10 チェックアウト後宿舎出発
9:00~12:30 微生物学講義実験III: 笹川昇先生 21KOMCEE(3F)新生命科学実験室
12:30~13:30 昼食
13:30~15:00 細胞培養実習(松田良一先生担当)見学
15:00~15:30 まとめ/閉会 3号館113教室
15:30 解散
微生物実験 大学での昼食
ニワトリの胚をつかった実験
IBOの運営委員会(Advisory Board Meeting)が、2014年11月6日から8日まで 事務局のあるプラハのカレル大学で開催され、日本からは 松田・齋藤 両JBO委員が出席しました。
国際生物学オリンピックの国際大会の運営にかかわる重要な事項は この会議で審議され決定されています。日本から提案した国際大会での教育セッションの開催は IBOに参加した代表生徒のOB/OGのその後の活躍の調査結果の発表など インドネシア大会でも その意義を高く評価されました。来年以降の国際大会(2015:デンマーク、2016:ベトナム)でも継続してセッションが組織されることになっています。
標記シンポジウムが下記の要領で開催されました。
- 日時:2014年10月19日(日) 13:30~17:00
- 場所:東京理科大学 神楽坂校舎 1号館17階 記念講堂
参加は無料ですが、メールで申し込む必要があります。
東邦大学にて第二回特別教育を開催しました。
日程・会場
2014年4月27日(日)午前9時 ~ 4月29日(月)午後6時
東邦大学理学部生物学科
担当
藤崎 真吾 教授、後藤 勝 講師、松本 紋子 講師
村本 哲哉 講師
長谷川 雅美 教授
TA
川上 直輝、金子 亮介、原 司、岩間亮、中山敦仁、岩出 結実、石川 恵、嵯峨 幸夏、笹木 優
JBO委員
齋藤淳一 東京学芸大学附属国際中等教育学校 教諭(JBO運営委員)
内容
分子生物学・生化学実習:
-
- (1) ニワトリ卵白からのリゾチームの精製および電気泳動による分析 :陽イオン交換カラムを用いて、ニワトリの卵白からリゾチームを精製する。吸光度測定およびSDS-PAGEにより、目的タンパク質の確認をおこなう。
- (2) 大腸菌のβ-ガラクトシダーゼ活性測定 実習概要: 誘導物質を加えた培地および対照培地で大腸菌を培養し、β-ガラクトシダーゼ活性を吸光光度法により測定する。
細胞生物学実習 実習概要:
-
- 分化を誘導した細胞が、シグナルへ向かって運動する走化性現象や細胞間相互作用の観察を通して、生きた細胞の取り扱いや観察方法の基本技術を学ぶ。
細胞生物学実習
-
- 細胞間相互作用の観察(実習)
-
- 発生分化における遺伝子発現動態のイメージング解析(講義)
- 走化性を示す細胞の観察(実習)
節足動物の生息環境と形態的特徴 アリの行動
-
- 1.【講義】動物の社会
-
- 動物の社会を理解する上での研究について、
TEDのプレゼンテーション (Moral Behavior in Animals, by Francis de Waal.)
-
- を試聴することを交えながらの講義を聞いた。
2.【実習】動物の形態の共通性と多様性
-
-
- 1) 甲殻類の形態学的多様性 土壌、淡水、海浜環境に生息する等脚類、端脚類のそれぞれ2種を双眼実体顕微鏡により観察・スケッチし、それらの基本形態と多様性を理解した。
-
-
-
- 2) クモ類の形態学的多様性
-
-
-
- 3) アリ類の形態
-
-
-
- クモとアリの中から1種ずつ選択し、それらを双眼実体顕微鏡により観察・スケッチし、形態を理解した。
-
-
-
- 4) アリ類の種多様性 同定済み標本を用いて、同定された種名を図付き検索表により再確認した。また、アリゾナ大学が整備している “
-
Tree of Life Project Home Page (http://tolweb.org/tree/)
-
-
- ”を用いてアリ科やその亜科の位置づけについての講義を聞いた。
-
3.【講義】アリの社会
Deborah Gordon氏によるTEDプレゼンテーションのビデオ (The Emergent Genius of Ant, Colonies, by Deborah Gordon)を視聴し、アリの集団サイズと役割分担についての知見を学んだ。
4.【実習】異種のアリの闘争行動は群れのサイズに影響されるか?
社会性を持つ生物であるアリを用いた「集団の規模」が闘争にどのような影響をあたえるのか、について考えた。まず、「自身が闘争を行うか否かの判断に所属集団の規模が関与するか」を確かめる実験デザインを各自考えた。また、この仮説検証のために実際に行われた研究データを提示してもらい、活発な議論の末、測定する項目を定めてデータを解析した。
特別教育の様子
新しい投稿ページへ古い投稿ページへ