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鳥取県立米子東高等学校で開催された令和5年度「科学を想像する人材育成事業」に
JBOから派遣された講師が「生き物を生きたまま観て、形態を識別しよう」と題した講座を開催しました。
「科学を創造する人財育成事業」は、米子東高等学校生徒、県内・近県高校の希望生徒を対象として、最先端の科学に関する講演、数学コンテストや物理・化学・生物に関する実験体験をとおして、科学に対する興味・関心を高めるとともに、科学を追究することの意義や楽しさを理解させることにより、より高い知的創造力を育成し、もって地域の知的基盤の強化を図ることを目的としています。
全生徒を対象とした講演会に続き、午後は少人数分科会としてJBO教育支援部会の教員による実験体験がおこなわれました。
日程: 2023年10月14日(土)
場所: 鳥取県立米子東高等学校 生物実験室
担当: 石井 規雄、相馬 朱里
<内容> 生徒16名参加
13:00~14:30 講義
生物の分類の方法
生物の系統関係とその変遷
生物の形態を記録する方法(スケッチ)
実習手順・材料の説明
14:30~15:50 実習
イノコヅチとヒナタイノコヅチの形態の比較
植物の形態観察・スケッチ
茎の切片作成・スケッチ
15:50~16:20 片付け
16:20~18;00 教員向け研修
生物学オリンピックへ向けた指導の方法について
同プログラムは、米子東高等学校の生徒ならびに鳥取県内・近県高等学校の希望生徒を対象に、最先端の科学に関する講演、数学コンテストや物理・化学・生物・地学・家庭科・情報などに関する実験の体験をとおして科学に対する興味・関心を高め、科学を追究することの意義や楽しさの理解や、地域の知的基盤強化を目的に企画されたものです。
国際科学オリンピック3科目の合同イベント「国際科学オリンピック オンラインワークショップ」を開催
生物学からは「進化ってなんだろう?」と題して、日本生物学オリンピック2016金メダリストの若島朋幸さんによる講義が配信されました。
2021年に引き続き、2022年の日本生物学オリンピック(JBO)本選が山形県鶴岡市の慶應義塾大学先端生命科学研究所(IAB)で開催されることになりました。これを機に、JBOに挑戦する生徒に向けた説明会を2022年3月11日〜13日に山形県内で開催しました。
3回に分けておこなわれた説明会には、のべ175人の皆様に参加いただきました。
JBO本選への道(入門編)
目次 | |
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0:00:00 | 日本生物学オリンピック(JBO)の概要 |
0:10:00 | JBO本選出場経験者へのインタビュー |
0:34:35 | JBO委員による過去問解説 |
1:24:37 | 山形県からJBO本選に出場した先輩のライブトーク |
日本生物学オリンピック説明会in山形 (2022/3/11-13)
去年に引き続き、今年の本選が山形県鶴岡市の慶應義塾大学先端生命科学研究所(IAB)で開催されることになりました。これを機に、はじめて日本生物学オリンピックに挑戦する生徒に向けた入門編から、本選出場を目指す生徒に向けた中〜上級編などに分けて、計3回の説明会を山形県内で開催します。ZOOM配信しますので、全国からも参加可能です。
日本生物学オリンピック委員が過去の出題問題をわかりやすく解説するほか、本選出場経験のある全国の先輩達からの熱いビデオメッセージを集め、さらに山形県から本選に出場した先輩へのLIVE質問コーナーもあります。本説明会を通して、生物学の面白さ楽しさ、全国の生物好きの友に出会える喜びを感じてもらいたいと考えております。多くの中学生、高校生の参加を心よりお待ちしております。
対象
中高生/参加費無料(中高生以外も参加いただけます)
日程 – 2022年3月11日(金)、12日(土)、13日(日)
- 3/11(金) 13-15時 JBO本選への道(入門編)
- 対象:初めて挑戦する中高生
- 形式:オンライン(Zoom) LIVE開催
- 3/12(土) 10-12時 JBO本選への道(中~上級編)
- 対象:本選出場を目指す中高生
- 形式:ハイブリッド LIVE開催、オンサイト会場は山形県米沢市(会場未定)
- 3/13(日)13-15時 JBO本選への道(入門~中級編)
- 対象:初めて挑戦または本選出場を目指す中高生
- 形式:ハイブリッド LIVE開催、オンサイト会場は山形県鶴岡市(鶴岡メタボロームキャンパス・レクチャーホール)
(新型コロナウィルス感染症の拡大状況をふまえて開催形態を判断します)
申込方法
ポスターのQRコードからお申し込みください(締め切り延長しました!3月3日 3月9日23:59分まで)
国立研究開発法人科学技術振興機構 理数学習推進部の主催により、
国際科学オリンピック7科目の合同イベント「国際科学オリンピック オンラインワークショップ」を開催
生物学からは「植物の花と実 いろいろ」と題して、日本生物学オリンピック2011金メダリストの相馬委員による講義が配信されました。
立命館慶祥中学校・高等学校 主催「数理・科学チャレンジ サマーキャンプ2018」において、JBO運営委員が下の日程および内容で、講座を担当しました。
日程: 2018年8月7日(火)~8月9日(木)
場所: 立命館慶祥中学校・高等学校
担当者: JBO運営委員 谷津潤 森長真一
1日目 | ||||
14:00〜15:30 | 講義1 | 谷津 | 分子生物学 | 制限酵素の説明と実験 |
15:50〜17:20 | 講義2 | 共同活動 | 特定のテーマについて共同で課題解決 | |
2日目 | ||||
9:00〜10:30 | 講義3 | 森長 | 生物の適応 | 生物に見られる適応の具体的事例とトレードオフの演習 |
10:50〜12:20 | 講義4 | 谷津 | 発生学 | ショウジョウバエの個体と生殖巣の観察 |
12:20〜14:00 | 昼食と自主活動 | 講義の宿題や課題に取り組む | ||
14:00〜15:30 | 講義5 | 谷津 | 発生学 | ショウジョウバエの胚の観察 |
分子生物学 | 制限酵素を使用した実験結果の考察 | |||
15:50〜17:20 | 講義6 | 森長 | 利他行動と社会性 | 動物にみられる利他行動・社会性の説明と血縁度計算の演習 |
3日目 | ||||
9:00〜10:30 | 講義7 | 森長 | 発生と進化 | 形態進化に関与する遺伝子の役割と盲斑検出の演習 |
2018年3月24日土曜日に岡山大学を会場として、県内中学生・高校生の化学と生物学希望者に対して午前に全体会を10時から2時間、午後は分科会として3時間の説明等をしました。
午前の部では、開会行事の後に50分間で国内予選・国際大会についての説明を行い、また出題される内容と大学進学後の勉強との相関についても説明しました。最後に日本代表への道と題して、過去に指導した生徒の事も含めて説明しました。
午後は、生物分科会として生物学オリンピックを目指す生徒対象として、幾つかの内容に関して説明しました。参加生徒は54名の予定でしたが、4人が欠席しましたが午前中の全体会に参加した生徒の中から、2名が生物分科会に急遽参加しました。僅かな時間で過去問の解説をするよりも、生き物に関する興味を引き出す事が大切だと考え、身近な植物の種子繁殖に関して、概説説明と持ち込んだ種子の観察を通して理解を図りました。持参した種子は風散布種子としてアルソミトラ・シラカンバ・ウバユリの翼果、毛羽を持つガガイモ、小型軽量のモジズリ・ヤセウツボ、構造的風散布種子のナガミヒナゲシの種子散布について考察しました。写真としてフタバガキ・シナノキ・セイヨウタンポポを提示しました。動物散布種子として「引っ付き虫」であるアメリカセンダングサ・コセンダングサ・ヌスビトハギを、貯食種子としてオニグルミを、また写真でガマズミ・クスノキ・ヤドリギ・ホザキヤドリギ・オオオナモミ・チカラシバ・メナモミ・チヂミザサ・ライオンゴロシ(デビルクロー)を提示しました。水散布種子としては写真のみの提示で、オヒルギの胎生種子とエンタダマメ(モダマ)を提示しました。重力散布種子は、果樹としてのリンゴ・ナシについて考察し、また蔓植物の例についても説明しました。最後に自動種子と名付けたカラスムギを持参して、濡らす事で芒が動く事を観察させました。
続いて心臓の位置と、誤解を受ける理由として、左右の心室が拍動の際に血液を送り出す圧力について説明をしました。魚類の一心房一心室の合理性と、陸上化による進化の過程を考察しました。腎臓ではヘンレのループの機能であるアクアポリンと、塩類チャネルの分布について説明し、また皮質から髄質にかけての濃度勾配についても説明しました。
最後に、石井が過去に指導して代表として送り出した生徒に対する指導に関する詳細を語り、全ての締めくくりとしました。
生徒は実に熱心に話を聞き、じっくりと観察し、様々なことについて考察を行いました。とても良い雰囲気の中、講義が進められたことと、生徒たちが集中して参加することができたことから、生徒たちの意識の高さと能力の高さを感じました。(文責 石井規雄)
今回の講座(2017年12月26日(火)〜 28日(木)は、90分9講座でしたので、遺伝子を中心に据えて生物の講義と観察を実施した。
一時間目は、導入として人体の臓器に触れ、その位置や働きについての説明をした。特に腎臓では、髄質における濃度勾配とヘンレのループの機能を中心に説明した。それから遺伝子としてのDNA研究史の概略を解説し、遺伝子を運搬する配偶子について説明し、減数分裂の教科書に書かれてない最も重要な意義について説明した。
二時間目は、持参したツバキの葉の切片作製法を説明し、実習として各自が作成し、スケッチを書くことの意味と意義が分かれば、光学顕微鏡の使い方は概ね理解できることを指導した。
三時間目は、今回参加した数学オリンピック・物理学オリンピック・化学オリンピック・生物学オリンピック・地学オリンピックの共同作業として、「種子の繁殖戦略」の解析を実施した。風散布種子・動物散布種子・水散布種子・重力散布種子・自動種子について石井が概説し、その後生徒による解析と発表が行われた。
四時間目は、真花説を基として、様々な果実を観察して、形成している子房の室数を考察し、元々は葉が変化したものであることから、1枚の葉由来・2枚の葉由来・3枚の葉由来・4枚の葉由来・5枚の葉由来・多数の葉由来を実際に観察して、ミカンの食用部分が葉のどの部分に該当するかを、ツバキの葉の切片と対比させた。
五時間目は、植物の花粉媒介戦略として、風媒花・動物媒花・水媒花を説明し閉鎖花についても説明した。
六時間目は、種子の繁殖戦略について、実際に観察し説明をした。様々な種子の殆どは媒体によって種子を移動させることが分かっており、風を利用する場合に翼を持つもの・小型軽量のもの・毛羽などを持つもの・特殊な器官を利用して効率よく種子散布するものなど多彩であることを理解させた。動物散布に関しては、「ひっつき虫図鑑」が発刊されるくらいにユニークなものがあることも説明した。
七、八時間目は、PCRについて、原理の説明、実験指導および演習問題の解説を行った。まず、生徒らにマイクロピペッターの操作に慣れてもらった後、サンプル調製を行わせ、PCR反応を行った。次に、PCR産物が増幅するまでの待ち時間を利用して、実験結果の予想を立ててもらい、さらに、PCRの原理を正しく理解させることを目的として作成した演習問題を解いてもらった。最後に、PCR産物に対してアガロースゲル電気泳動を行った。
九時間目は、まとめ・国際生物学オリンピック・その他について説明し、特に国際生物学オリンピックに関しては、目的・歴史・日本が参加してからの状況・生徒を指導した実践経過について説明をした。(文責:石井規雄・谷津潤)
ニュース, 国際生物学オリンピック, 日本生物学オリンピック, 関連する催し
都市の微生物と市民の健康
生物学オリンピックOBの石田晴輝・佐藤紀胤さん(東京大学2年)は慶応義塾大学・上智大学の学部生といっしょに研究チームGoSWABで活動しています。公共交通機関など都市環境での微生物生態系やヒトの遺伝子をメタゲノム解析して、環境と生物の関係を探っています。募集期間:2018年4月11日までのクラウドファンディングで、東京都内の駅での微生物生態系の大規模かつ詳細な解析への支援を希望しています。
京大生チャレンジコンテストに挑戦
JBO2014に出場し本選において銅賞を獲得し、日本代表候補となった司悠真さん(現在 京都大学理学部在学)の参加する理学部の5名のチームが「脳でオーロラは聞こえるか」という研究プロジェクトの研究費を 京都大学の支援の元 クラウドファンディングによって集めようとしています。「京大生チャレンジコンテスト(SPEC:Student Projects for Enhancing Creativity)」のページをごらんください。 寄付募集期間は2018年1月31日までです。
ガーナ生物学チャレンジへの貢献
IBO2012シンガポール大会日本代表の荒木大河さんが ガーナ生物学チャレンジをコーディネータとして組織し 大きな貢献をしました。 ガーナ生物学チャレンジは2016年5月にガーナ大学において成功裏に実施されました。大会ではJBOの問題をもとに作られた筆記試験が実施され、さらに参加者はガーナ大学での電気泳動体験セッションに参加しました。将来は国際生物学オリンピックへの参加を目指しているとのことです。
学術クラウドファンディングに挑戦
IBO2014インドネシア大会日本代表の那須田桂さんらの学生チームが、合成生物学の国際大会であるiGEMに「細胞分裂で色が変わる大腸菌を作りたい!」というテーマで参加を目指しています。iGEM参加のための費用を学術クラウドファンディングにより調達しました。 (達成率174%)
なおiGEMには IBO2007カナダ大会日本代表の本多健太郎さんはじめ 下のリストにしめすように多くのOBOGが参加してきています。iGEMは学生の国際的なコンテストであるばかりでなく、合成生物学のライブラリであるBioBrickに貢献していることでも注目されています。
UT−Tokyo チーム
2010 仮屋園遼、本多健太郎
2011 泉貴人、海老沼五百理、濱崎真夏
2012 海老沼五百理、大塚祐太、水口智仁
2013 海老沼五百理、大塚祐太、水口智仁
2014 中村絢斗
2015 中村絢斗、那須田桂
2016 那須田桂、真田兼行
Oxford iGEM
2016 石田秀
2017年4月30日に、佐賀県で唯一理数科を持つ佐賀県立致遠館高等学校にて、生物学オリンピック合同学習会を実施しました。午前の部は生徒に対しての学習会で、致遠館高校が行っているSSHの一環として他校にも案内をして行われました。参加生徒は6名で、全員が致遠館の生徒でした。
内容として初めにIBOの紹介をしました。特に参加する意義として、多くの知識を持つ事が必要である事や、実験技術の基礎を身につける必要、更に様々な知識を総動員して考察する楽しさを予め体験しておく等は、将来の研究者を目指す際の必要不可欠な要素であり、オリンピックはあくまでも通過点である事を説明しました。そして、国内大会で顔を合わせる全国の生徒との交流は、生物好きの集まりであること、国際大会では世界の生徒との交流があること等を話しました。次に過去問に触れ、見方を変えることで解答に近づくことを説明しました。生態学的な考察問題として、カラスムギの種子を見せました。初めに乾燥標本をそのままの状態で見せましたが、当然面白さに気づく生徒はいませんでしたが、次に水を含ませて生徒に見せると、いきなり動き出しますからその面白さに釘付けになりました。また佐賀県内でも見られるナガミヒナゲシの繁殖戦略について、昨年採集した乾燥標本を見せて、種子の散布形態の考察を行いました。最後に実技指導として、ツバキの葉の切片作成について体験をしてもらいました。通常行われる葉の横断面の切片作成に加え、葉の裏面にある気孔観察の為の、表面を削る様に行う切片作成方法も指導しました。生徒は、実に熱心に参加し、生徒の意識の高さを伺うことができました。
午後は教員対象の学習会を実施しました。致遠館高校の教員三名ともう一人の教員が参加して、和気藹々とした雰囲気の中で実施できました。
ここでは、生物学オリンピックに向けた取り組みを私自身が行った経緯も紹介しました。教員として勤務した学校と、その中で実施した生物教育についてお話しし、現役最後に勤務した学校でのSPPの取り組み・オリンピックとの出会い・本選試験問題の作成・校内での特別教育の内容をお話しし、二人の日本代表生徒の指導についてもお話ししました。
国際生物学オリンピックに関しては、日本が参加してからの内容と、世界の生物教育のレベルが日本を上回っている事実についても説明しました。その中で我々教師がどの様にして実力を身に付けるかという事も説明しました。
よく知られている春の七草から、幾つかの設問を用意しました。先ずは七草の中に、日本に古くからあったのではなく、外国からもたらされた植物三種類についてお話ししました。スズナ・スズシロは容易に想像できますが、ナズナについては分かっていませんでした。生物の教科書でナズナが取り上げられるのは、胚の発生・同義遺伝が思いつきます。同義遺伝で説明される槍型の果実を日本で見た事のある人は、いても稀ですが教科書に記載されている事から当然あるはずです。日本で見られないのは、元々日本の植物ではないからです。教えている教師が、当然気付いて当たり前の事実を、気付くか気付かないかで、生態的な見方が出来るか出来ないかが分かれる事を理解して貰いました。
生徒対象・教員対象共に熱心に受講して頂き、充実した時間を過ごせた事に感謝します。
(文責 石井規雄)
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