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国際生物学オリンピック 2020年日本開催を目指して裾野拡大を

Matsuda_2013

産官学連携ジャーナル 2014年1月号

IBOはなぜ必要か?

わが国では教育機会の平等と「落ちこぼれ」防止を念頭に教育政策が進められてきた。その一方で特定分野における才能の発掘と育成はス ポーツ分野あるいは芸術分野にとどまり、学問分野では国レベルでの取り組みは十分とは言えなかった。しかし、IBO加盟国では科学技術が その国の産業力の根幹を成すとの認識から、それを支える次世代層の科学教育に力を注ぎ、生物学における突出した才能の発掘と育成に並々な らぬ力を注いでいる。科学分野における才能を個人の属性に帰するのではなく、社会で共有財産として育てていこうという発想である。日本に おいてもJBOが発足して以来、生物学に関するさまざまな啓蒙活動(日本生物学オリンピックフォーラム)や国内選抜、代表生徒の特別訓練 等を通じて、中高校生たちに生物学の面白さを伝える新しい流れができた。生物学に傾倒することに社会が価値付けをすることで、それまで生 物好きな変わり者扱いされてきた生徒が自信を持ち、それが人生の転換につながった例が幾つも出てきたことは誠に望ましいことである。国の 内外に広がる同好の仲間のネットワークが構築され、それを生かした将来の発展も期待される。


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