- 所属:
- 筑波大学 生物学位プログラム 修士1年
- 出身:
- 広島大学附属高等学校
- 出場:
- JBO2016 つくば
JBO本選出場者インタビュー:若島朋幸さん
※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです
Q:今は何をしていますか?
主に生物の研究をしています。
嫌気性真核微生物が持っている縮退進化したミトコンドリアのプロテオーム解析をしています。
Q:JBOをどうやって知りましたか?
出身高校の広大附属高校が生物学オリンピック(JBO)の受験会場になっていました。
そのため校内にポスターが貼ってあったり、生物の授業を選択した際に先生から受験してみないかと声がけいただいたりしました。
予選会場になるために、20人~30人ぐらいは受験者が必要だったと思いますので、それぐらいの学生がうちの高校から受けていました。
生物選択の人はとりあえず試しに受けるみたいな感じで、結構みんな受けていました。
初めて受けたのは高2の時です。
結果は予選通過できず、そこで悔しい思いをしました。
それから一年間、結構本気でJBOに向けた勉強をし始めて、高3の時に、2度目のチャレンジで本選に出場することができました。
Q:どんな勉強をいつからしましたか?
高2の時は、本当にチャレンジというか特に対策とかせずに受けたので、全然得点できませんでした。
しかし、その後は勉強方法として、とにかく過去問を解くことをやりました。
2009年以降の過去問がJBOのホームページに公開されているので、2009年から自分が受けた2016年まで、一つの年につき少なくとも3回以上は解きました。
当時、自分が勉強していたデータを、全部エクセルにまとめてたんですよ。
2009年から2016年までの公開されている最高点、平均点、標準偏差および問題数などをまとめました。
そして、年ごとの問題の傾向や難易度をチェックするために、グラフを作ったりしていました。
(詳しくは動画をご覧ください)
そういうデータを作っておいて、自分が解いた結果を合わせるとこんな感じになっています。
1回目に解いた時の点数、2回目に解いた時の点数を記録しています。
その年の最高点を超えるように頑張ってやっていました。
初めて解いた時は30点とか40点とかでした。
結構難しい問題が多いんですけど、2回目は60点になり、3回目になるとおおよそ80点以上は取れるようになっています。
解答解説が公開されていて、かなり丁寧に説明があるので、分からないところは解答解説をじっくり読み込みました。
僕はかなり独学だったので、あまり先生とかに頼ることはなかったです。
キャンベル生物学を開いたり、資料をひたすら読み込むことが多かったです。
Q:受験勉強との両立はどうしましたか?
高2ぐらいまでは、普通に一般入試を視野に入れて大学入試の勉強をしていました。
しかし、筑波大学には国際科学オリンピック特別入試枠というものがありまして、僕はそこ一本に絞って生物の勉強をしていたので、JBOの予選と本選自体が僕にとっては入試みたいなものでした。
一般入試の勉強は殆ど手を付けずにひたすら生物の勉強に集中していました。
筑波大学の生物学類に、どうしても行きたい研究室があったんです。
筑波大学に入学する方法としては、一般入試とか推薦入試とか色々あったわけですが、僕は文系科目が苦手でして、特に国語、古文や漢文が非常に苦手でした。
国語を回避して入学できる方法はないかと模索した結果、国際科学オリンピック特別入試枠を発見したので、そこを狙ってみることにしました。
そもそも高2の時点でJBO予選を通過できていなかったので、高3でほぼ初めての本格的な挑戦でした。
それを入試に代わりにするっていうのは、結構チャレンジングでリスキーだったと思います。
Q:大学進学(筆記試験)に役立ちましたか?
他の科目としては、有機化学には強くなりました。
代謝経路についての勉強を生物の方でするのですが、光合成であったり呼吸であったり、そこで有機化合物の勉強したので、大学に入ってからも有機化学だけは得意になりました。
あとJBOで勉強した統計も役に立ちました。
Q:今振り返ってJBOに挑戦してよかったことは?
まず第一に、入試を突破できたっていう点です。
JBOに挑戦したことで今の大学に入ることができて、JBOには非常に感謝しています。
あとは、人脈ですね。
今でも当時の大会の同期であったり、その後も僕はスタッフとして携わっているので、そのスタッフの関係で知り合った方や今の高校生の方とも面識があったりして、本当に世界が広がったなと思います。
日本全国の大学に散り散りになってはいるんですけれど、それはそれで日本全国どこに行っても知り合いがいるということですし、各方面の分野でプロフェッショナルの知り合いがいる状況になったというのは、すごく面白いなと思います。
Q:現役挑戦者へのエール!
以前の大会で、浅島誠先生が仰っていて、いいなと思った言葉があるので、僕はそれを皆さんに伝えたいと思います。
今の日本は出る杭が打たれがちな社会です。
生物学オリンピックは出る杭を伸ばす、それが生物学オリンピックです。
ぜひ皆さん出る杭になってください。
そしてJBOにチャレンジして、どんどん世界に羽ばたいて行ってください。