- 所属:
- 東京大学大学院 薬学系研究科 修士2年
- 出身:
- 灘高等学校
※所属・学年は、2022年1月の取材日現在のものです
東京大学大学院の薬学系研究科で大学院生として研究をして過ごしています。来年度から博士課程に進学予定で、将来は研究者を目指して頑張っています。
灘中学校に入った時に生物研究部という、中1から高3までが一緒に活動する部活に入っていて、その時に先輩が教えてくれたのがきっかけです。
JBOを受ける人がいて、部としても「他にも挑戦者はいませんか?」という感じの雰囲気があったので、中学3年生の時に初めて挑戦しました。そのときは残念ながら予選で落ちてしまい、その後も高1、高2とJBOに挑戦しました。
高1の時は日本代表候補にまではなりましたが、日本代表には落選しました。翌年の高2のときに日本代表となり、高校3年生の夏にIBOに参加することができました。
学校の生物の先生にもJBOを受けるということは相談しまして、当時は中学生だったため、高校生向けの生物の教科書をもらいました。個人的にすごく役立ったと感じるのは図説です。教科書だと文章でしか書かれていない部分が多いのですが、図説や図録といったものはイラストが多く載っていたり、教科書には書いていないような細かな情報も載っているものもあるため、細かい知識をカバーしたりイメージで生物学を捉えたりするのに非常に役立ちました。
僕は出版社の図説を色々比較してまして、個人的に気に入ってるのは第一学習者のスクエア最新図説生物NEOです。
代表候補になったときにキャンベル生物学はJBO委員会から貰えたため、高2で受けた時はキャンベルも読んでいましたが、あくまで教科書、図説、JBOの過去問を勉強するという感じでした。
僕が受けたのが2013年頃だったので、まだ過去問の数がそこまで蓄積されておらず、解いても答えを覚えてしまうので、過去問を使った勉強は本番直前に一周解く程度にとどめ、基本的な勉強は過去問以外のものを使っていました。
生物研究部の中で生物学オリンピックにかなり力を入れている人たちがいました。その人たちと部内勉強会を開催しており、それが励みになりました。
勉強会の内容は、試験の1、2週間前ごろに先輩がピックアップした過去問を解いてきて、その過程を解説するといったものでした。実際に受験者の立場に立つと、この問題は後に回すべきだ。とか、こういう風に考えて答えを絞っていくのが良い。といった、答えを出すためのプロセスのような情報は、公式の解説には無く掴みづらいことが多いので、受験者目線での問題解説はその勉強会の中で得られた大きなものだったと思います。
高校3年生の時はIBOに出場したのもあって、本番に向けてキャンベル生物学をひたすら読んでいました。失礼ながら僕は受験勉強そこまで本腰を入れてやっていなかったこともあり、生物とか化学とか、好きな科目ばかり勉強していました。そういう意味では生物学オリンピックと両立できていたのかもしれません。笑
特に国際生物学オリンピックの直前期は生物の勉強ばかりで、受験勉強は放ったらかしにしていました。
受験の入試の問題は高校生レベルの知識を基準に作られているため、知識的な面で生物学オリンピックの勉強が直接役に立ったという印象はありません。しかしながら、生物の入試問題に特徴的な実験考察の問題(実験と結果が出てきて、そこから考えられることを問われる問題)については、実験を自分の手でやった経験があるからこそ、仮説を立てて結果を考察するプロセスに臨場感を持って取り組むことができるようになるため、この点については生物学オリンピックに参加した大きなメリットだと思います。
JBOを通じて得られた人との繋がりが一番大きいと思います。
例えば生物学の研究の世界にどういった景色が広がっているのか、大学進学後に自分で勉強した領域の中から見つけるのには限界があると思います。
しかしながら、既に大学にJBOで繋がった同級生や先輩後輩が沢山いることで、その人たちを通じて色んな分野の研究をしている人の話を聞くことができるので、自分の研究に対する見え方や研究の世界の捉え方が大きく広がりました。こういったことはJBOを通じて得られた人との繋がりによるものが一番大きいと思っています。
なかなか想像が難しいと思いますが、JBO参加者には皆さんが思ってる以上に生き物のことが好きなオタクがたくさんいます。我こそは生物学、生き物好きだという人は特に、全国から生き物好き、生物学好きが集まるJBOでたくさん友達を作ってもらいたいです。
JBOに参加したり、参加に向けて生物学を勉強することで人生が変わると思うので、ぜひ皆さん頑張って挑戦してみてください。
〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園2-1 科学技術館内
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