日本生物学オリンピック 2013 予選
予選の実施
3149名が日本生物学オリンピック2013に挑戦しました。
予選での成績は8月初旬に郵送される予定です。
本選受験資格者および次点者にはそれより前に通知されます。よく書類を読んで、必要な書類を本選(広島大会)に送ってください。
出題された問題と正解・解説
日本生物学オリンピック2013 予選の問題 問6)について
問6)の問題文と図のなかで、一部不適切な点がありました。ただしこれはこの問題に答える上で、致命的な誤りではないので、採点は「正解・解説」のとおりとします。
問題の訂正
問6)アメリカザリガニの甲殻には,赤色素胞と白色素胞があり,ここに含まれる色素顆粒の凝集や拡散によって体色にわずかな濃淡の変化がみられる。このような色素顆粒の移動を色素胞運動とよんでいる。赤色素胞では,眼柄に含まれる赤色色素凝集ホルモンによって色素胞運動が起こることが知られている。また,昆虫で発見されたホルモンであるコラゾニンもアメリカザリガニの色素胞運動に影響する。
明所に置いて明順応させたアメリカザリガニの甲殻の一部を摘出し,これらのホルモンを投与して各色素胞の変化を色素胞拡散インデックス(拡散状態を5,凝集状態を1とした値)として調べた結果が図1と図2である。図1はコラゾニンを投与してからの色素胞拡散インデックスの時間的変化である。また,図2は濃度の異なる赤色色素凝集ホルモンおよびコラゾニンを投与したときの色素胞拡散インデックスの変化の絶対値(任意の単位)を示している。
解説の追加
問6)【正解】B 【部分点】A,D,F 【解説】アメリカザリガニでは,赤色素胞は明所で拡散,暗所で凝集し,白色素胞は明所で凝集,暗所で拡散すると報告されている。これはホルモンによって調節され,眼柄に含まれる赤色色素凝集ホルモンによって赤色素胞は凝集するが,白色素胞には影響しない。また,コラゾニンは,赤色素胞と白色素胞のいずれにも影響し、赤色素胞を凝集させ 白色素胞は逆に拡散させて 暗順応の効果(淡い体色)を与える。
A:拡散した赤色素胞 B:凝集した赤色素胞 C:凝集した白色素胞 D:拡散した白色素胞
図は http://www.thymosin-beta-4.com/tag/rpch より
図1から、②と④が間違いで①と③が正しいことがわかる。
図2から、⑤が間違いで⑥が正しいことがわかる。
(参考文献:Porrasら(2003),Peptides 24:1581-1589)
①は○ 図1から赤色素胞は拡散,白色素胞は凝集していることがわかる。
②は×
③は○ 図1よりコラゾニンは赤色素胞と白色素胞のいずれにも影響する
④は×
⑤は× 図2より赤色色素凝集ホルモンは白色色素胞に影響しない。
⑥は○ 図2よりコラゾニンより赤色色素凝集ホルモンの方が赤色素胞に強く影響する。
日本生物学オリンピック2013 予選の問題 問14)について
問題文中で 同じことを「競合力増大仮説」「競合力増加仮説」「競争力増加仮説」と三つの表記がなされていますが、問題の内容からこれらは同じことだとわかるので 採点は「正解・解説」のとおりとします。
得点分布