日本生物学オリンピック フォーラム in 岩手
木村岩手県教育委員会主任指導主事の挨拶(要旨)
本フォーラムを主催されました国際生物学オリンピック日本委員会(JBO)浅島委員長、連絡調整に尽力されました石和運営委員長はじめ関係の皆様方に心から感謝申し上げます。
東日本の広い地域は、昨年3月11日の東日本大震災において、甚大な被害を受けました。岩手県特に沿岸部では、震災直後から、物資・義援金はもちろんのこと、スポーツや文化の交流、様々なメッセージ等々、日本全国そして世界各地から多くのご支援をいただきました。そんな中JBO様からは、震災直後いちはやく、浅島委員長名で、暖かいそして力強いメッセージをいただきました。その中に、私が特に惹かれた一節がありますので、失礼とは存じますが、抜き出して紹介します。
「災害の余波も当分続きますが、そのような中にあるからこそ、私達、生かされている者はこれから不撓不屈の精神でもって前向きに学問をし、自然を知り、多くの生き物に学び、叡智を養い、日本のみならず世界の平和と人間の豊かさに貢献したいものです。」
この言葉を、力強く行動に移されたのが、本フォーラムと言えるでしょう。岩手医科大学の小岩先生、中央大学の西田先生、東京大学の浅島先生からお話しをいただくことで、まさしく学問の面から、我々に復興へのエネルギーを与えてくれるものです。また、本日のタイトルを拝見しますと、最先端の学問でありながらも、学生が興味をもって聞くことができるような配慮も感じられ、私も楽しみにしております。
フォーラムにあわせ、JBO様からは、もう一つ支援をいただいております。生物学をこころざす生徒に活用してもらいたいと,この「キャンベル生物学」を多数御寄贈いただきました。高校・大学生にとって生物学全体を見渡して理解をする上で非常に有効と思われる本です。近日中に、高校へ配付したいと考えておりますので、その活用をお願いします。
会場の高校生のみなさん、今日は、三名の著名な先生方のご講演を聴くことができるとても貴重な機会です。今日の講演が人生を変えることもあります。是非集中して聞いて、みなさんの自然観を広げていただきたいと思います。
終わりに当たって、県内の生物の先生を中心とする実行委員会の皆様、引率等を担われた各高校の先生方の労苦に対し敬意を表し、この岩手の地から、今日の話を糧にすばらしい生物学者・自然科学者が育っていくことを祈念し、お祝いの挨拶に代えさせていただきます。
浅島誠 (JBO委員長)
木村克則 (岩手県教育委員会 主任指導主事)
高畑 義人 (岩手大学 理事・副学長)
小岩 弘之 (岩手医科大学医学部 客員教授)
西田 治文 (中央大学理工学部生命科学科 教授)
安藤 泰彦(岩手県立盛岡第一高等学校副校長、岩手県高等学校教育研究会生物部会長)
石和 貞男(お茶の水女子大学 名誉教授、JBO運営委員長)
写真提供 城守 寛(遠野高校)
盛岡タイムスに掲載された紹介記事